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尿有機酸検査

尿有機酸検査

「有機酸」とは、酸性の性質をもつ有機化合物(生体内で作り出される炭素原子を含む物質)の事で最終的には尿中に排出されます。例えば私たちの体は約37兆個の細胞で成り立っていますが、細胞の中のミトコンドリアというエネルギー工場の中で主に糖質からエネルギーが作り出される経路(「TCAサイクル」または「クエン酸回路」と呼ばれます)があり、その過程で生み出される物質群が有機酸の典型例です(クエン酸、フマル酸など)。

近年セロトニンの代謝異常と腸内環境の悪化により、うつ症状が悪化するメカニズムが想定されています(Waclawicovaら, 2018年)図にあるように、腸内環境の悪化により大量に出来た炎症性物質(サイトカインと言います)が脳の酵素(IDOやKMOなど)を活性化させ、キヌレニン回路という道筋にトリプトファンが多く持っていかれる為に、トリプトファンからセロトニンへの生合成が減少してしまいます。それだけでなく、脳のミクログリアという免疫系細胞が過剰に活性化され、そこから2次的な炎症性物質(サイトカイン)が放出されます。有機酸検査では、以上述べた様な腸内環境やキヌレニン回路の異常など、うつ症状が悪化しやすいリスクを評価できます。

さらに細胞の代謝経路の途中できちんと酵素が働いているか、必要な栄養素が十分存在しているか等、私たちの体調全般に関わる項目をくまなく総合的に調べることができます。その他、腸内環境の乱れが無いかどうか(悪玉菌のグループごとにチェック可能)、神経伝達物質(ドーパミンやセロトニン、ノルアドレナリンなど)の生産のバランスが良いかどうか、また肝臓での解毒系(デトックス)の働きがきちんとなされているか、さらに各種の栄養素(コエンザイムQ10、ビタミンC、パントテン酸など)が充足しているか、脂肪やタンパク質、ミネラルや水分の代謝が滞りなく行われているか、といった多岐にわたる76項目の代謝物が測定可能です。

具体的には尿中に排出される代謝物(エネルギーを作り出す過程で生成される物質、あるいは老廃物)の量を測定する事を通じて分析します。(自費:税込36000円)当検査をご希望の方は遠慮なくご相談下さい。

(Waclawicovaら、2018年論文より抜粋)


(カリフォルニア・ニュートリエンツ社・尿有機酸検査報告書(一部分のみ)サンプル)