リコード法(認知症の新しい評価・治療法)について
日本におけるリコード法の第一人者、今野先生と
(ブレインケア・クリニックにて)
リコード法(ReCODEprotocol)とは、元カリフォルニア大学サンディエゴ校の教職、現在バック研究所・MPIコグニション所長のデール・ブレデセン医師により開発された、アルツハイマー病およびMCI(軽度認知障害:アルツハイマー病の1歩手前の状態)に対し、回復を図る画期的な治療法です((注)必ず100%の人が改善するプログラムではありません)。リコード法の直訳は、「ReversalofCognitiveDeclineinAlzheimer’sdisease」(アルツハイマー病における認知機能低下の回復)です。2014年に発表された同プログラムの論文は、医学雑誌「Aging」に今までに投稿された研究論文のうち最高(上位0.01%)のインパクトファクター(他の研究者に引用された頻度など影響力を数値化したもの)を得ています。一方で、ブレデセン医師の下このプログラムを利用した認知症の方の人数は約200名(2017年9月現在)であり、大規模な集団でのエビデンス(科学的根拠)が今後待たれる状況です。
(QEEGの一例(56歳アルツハイマー病))
アルツハイマー病に対する根本的な治療薬や治療法はいまだに開発されていません。現在利用できる抗認知症薬に関しても「認知症そのものを治すものではなく、症状の進行を少しでも遅らせる」作用がある程度に過ぎません。また原因物質と推定されているアミロイドβに対する標的薬の治験は99%失敗に終わっているのが現状です。ブレデセン医師による考え方は、「アミロイドβは原因ではなく様々な要因が重なった結果として生じる生体の防御反応の一つである」とのマサチューセッツ総合病院のMoir氏らによる「抗細菌防御仮説(2018年)」に基づいています。また、認知症を進行させる原因を、①慢性炎症、②萎縮(栄養・ホルモン欠乏による)、③毒物(重金属・カビ・細菌による)と、大きく3つに分類し、さらに細かく主に36個の要因に分け、諸検査を通じて個人個人に合わせたオーダーメイドの予防・回復プロトコルを実行することができます。従来の認知症予防の4つの対策(食事、運動、認知的予備能(知的活動)、頭部外傷の回避)から一歩進んだきめの細かい治療法と言えます。
当院では、オリジナルのリコード法になるべく近くなる様、さらに少しアレンジを加えた方法で以下の諸検査((注)施行している一部です)をご提唱しています。ご希望の方はお気軽にご相談ください。
・ADAS-JCog(保険適用):40分程度のパソコン画面を利用した認知機能検査
・QEEG(定量的脳波測定)(※外部検査機関へ委託。場所により費用(自費)が異なる。)
・アポリポE遺伝子(血液)(自費・税込:5000円)
・ホモシステイン(血液)(自費・税込:2500円)
・1−25(OH)ビタミンD3(血液)(自費・税込:4500円)
・毛髪ミネラル検査(ヒ素・水銀など有害ミネラルおよび必須ミネラル)(毛髪)(自費:12000円)
・マイコトキシン(カビ毒)検査(尿)(自費・税込:58000円)