045-315-5151

〒231-0033横浜市中区長者町3-7-5YS長者町ビル1F

当院の治療方針

当院の治療方針

当院の治療方針(ポリシー)は2つあります。
治療については、「お薬をなるべく使わない」です。
診断については、「脳画像や食事栄養評価など、客観的な検査を重視し総合的に診る」です。

お薬をなるべく使わない」のは、なぜでしょうか?

これには主に理由が2つあります。

一つ目は、お薬はあくまで対症療法だからです。
例えば、抗うつ剤の代表であるSSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)。これは、脳内のセロトニンという神経伝達物質を「増やす」お薬ではありません。うつや不安症状により減少しているセロトニンを「リサイクル」して「あたかも増加したかの様に受容体に作用させる」お薬なのです。
当院でも、お薬を使う事はありますが、大切な事は最終的には遠回りになったとしても脳内のセロトニンを徐々に「増やす」「自力で適切な量を分泌できる」状態になって頂く事なのです。

二つ目は、お薬やカウンセリングの効き目には限界があるからです。

抗うつ剤の効き目は、約3割〜5割弱(Keitner GIら、2006年)と言われています。
一方で専門の心理カウンセリング(精神科外来ではなく、専門家の治療となります)の効き目も同等(同上、2006年)です。精神科医による支持的精神療法(傾聴中心の話し合い)の効果も薬物療法と同等です(de Jongheら、2004年 )。これらの治療が決して意味がないとか効果が無い等と決して主張したいのではなく、これら「だけ」では「不十分」と考えています。
特に栄養療法(食事栄養面、ホルモンバランスなどを考慮する治療)は年々重要度が増してきており、研究論文の数が増加傾向にあります。

「脳画像や食事栄養評価など、客観的な検査を重視し総合的に診る」とは?

こちらも、主に理由が2つあります。

一つ目は、精神疾患や症状の根底には、慢性の炎症がありその点に関しては共通の基盤であると思われますが、脳内の慢性の炎症を引き起こす原因は多因子つまり複雑な原因がからみ合っているからです。これは、単一の治療でそう簡単に症状が良くならない最大の理由です。

二つ目は、心の問題は基本的にあいまいな世界です。そのためには主治医の主観(思い込みや当てずっぽう)がなるべく入らない様な、客観的な指標が必要であると考えています。
私が尊敬し師事している米国のダニエルG.エイメン博士の言葉を借りますと「循環器科医や、整形外科医や放射線科医などほとんど全ての科のドクターは体を『診る』。しかし唯一精神科医だけは、『推測する』」のような現状なのです。
DSM−5(米国精神医学会が作成した、精神疾患の総合的な診断基準集)も、もちろん当院では使いますが、あくまでも入り口や参考に過ぎないと考えています。