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ニューロフィードバック

ニューロフィードバック(脳波バイオフィードバック)

(専用のソフトウェアを使ったニューロフィードバック中の風景)


皆さんは「鏡」を日常的に利用するかと思います。もし鏡がなかったら、どうでしょう。逆に「自動ヘアスタイル調整機」なるものが存在したらきっと便利でしょう。ボサボサな髪を整えたり、メイクをしたりするためには鏡が欠かせません。これも一種のフィードバック(日本語では「帰還」「伝え返し」とも言い、自ら発生した生体情報を本人自身が見聞きできる様にしたシステムやツールのこと)です。ニューロフィードバックも脳波を写し出す「鏡」に当たるもので、さらに「自動的ヘアスタイル調整機」に当たる脳波トレー二ングとしての機能も兼ね備えている最新のテクノロジーです。

脳波トレーニングによって無意識に(自動的に)学習されるのですが、これは「連合学習」とりわけ「条件付け」という学習理論に基づいており、これによって習得効果のスピードアップが図れます。「連合学習」とは、具体的には「たとえ話」などが挙げられます。Aという難しい内容でも、Bという例え話があったら「Aは要するにBのことなんだ」と結びつけて(連合して)覚えることができます。ニューロフィードバックの場合は「心地よい音」と「その瞬間に出せていた理想的な脳波」を結びつけて(連合して)意識せずとも脳が勝手に覚えるわけです。「条件付け」とは、「連合学習」の一種で、ご褒美(報酬)を通じた学習の事です。つまり連合させる一方にご褒美を用意する訳です。例えば、飼い主が飼い犬に対し「お手」がうまくできた時にえさ(報酬)を与えることを繰り返すと、最終的にはえさが無くても「お手」ができる様になる、といったものです。専門用語で言いますと、脳波という電気信号の状態(良し悪し)を、心地良い視覚・音(報酬)を通じてリアルタイムに当事者に伝え返す(フィードバック)学習を無数に繰り返し、脳の適正な自己調節(セルフレギュレーション)能力を培っていく、コンピュータプログラムの事です。

ニューロフィードバックは米国を中心に1950年代終わり頃より研究が始まり、70年代より実用化されてきた技術で、精神疾患へのエビデンス(科学的根拠)も徐々に蓄積されてきています。2013年スペインで実施されたランダム化比較試験(客観性の高い研究デザインの一つ)によれば、40セッションの学童に対するニューロフィードバックの効果は、リタリン(精神刺激薬)と同等の効果がありましたが、学業の成績改善についてはニューロフィードバックのグループの方が優れていた(有意差あり)との結果を認めています(V.Meiselら,2013年)。また2012年には、別ページに記載のQEEG(定量的脳波検査)とともに、米国小児科学会(AAP)により、ADHD(注意欠陥多動性障害)の児童に対するセラピーや補助診断として、薬剤と同等の「レベル1」(ベスト・サポート)の格付けを認めています。一方でFDA(米国食品医薬品局。日本の厚労省に当たる行政機関。)によってクラス2(上から2つ目の重要度ランクの医療機器)の医療機器として承認されています。

当院では、補完代替医療の一環として、心理カウンセリング(他院)と共に、ニューロフィードバック(他院)を選択肢の1つとして提案させていただく場合があります。日本では保険承認されておらず自費になりますが、もしご興味ありましたら、提携先をご紹介させて頂きますので、ぜひご遠慮なくご相談ください。